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2008-08-05

【シャルトルのプロジェクトマッピング】夏の夜にステンドグラスになる世界遺産・シャルトル大聖堂

Chartre35 シャルトル(Chartre)に行きました。

朝靄の中のフランスが誇るゴシック建築の最高峰(「シャルトルを見ずして、ゴシックを語ることなかれ」と言われています)シャルトル大聖堂(世界遺産)。大聖堂は東西南北を正確に向いた十字架の形をしており、方角によって時間の秩序を表しています。威厳と静けさを感じます。

Chartre04_2聖堂の西側の正面。今から800年ほど前、この大聖堂が建てられ始めた頃の一番古い部分だそうです。
完成に百年以上かけるのが当たり前だった時代に、王侯貴族から一般庶民、老いも若きも皆で協力して、この大聖堂を60年ほどで造り上げたそうです。

Chartre011194年の大火で大きく破損し、その後修復されたためロマネスク様式とゴシック様式が混在しています。

Chartre02向かって右のシンプルな尖塔がロマネスク様式。左はフランボワイアン(火炎型)のゴシック様式の鐘楼です。
様式も違えば高さも違うのに不思議と違和感がありません。

12世紀後半から13世紀のゴシック建築全盛期に造られた大聖堂で、建築、彫刻、ステンドグラスがほぼそのまま残っているのはシャルトルだけだそうです。

Chartre23ゴシック建築の特徴であるフライングバットレスとそれに連なる控え壁。
巨大な聖堂を支える工夫です。

シャルトルをしばしば訪れ、大聖堂を「フランスのアクロポリス」と呼んだロダンは、シャルトルの重厚な控え壁を「大聖堂を祈りの姿勢で支える忠実で力強い友人」と評しています。

Chartre21残念ながら修復中でしたが、聖堂正面の扉口は「王の扉口」と呼ばれ、扉口を飾る預言者や聖人達からなる人像柱は、ロマネスク末期の優れた彫刻です。中央に威厳に満ちたキリストが座し、四福音史家をそれぞれ象徴する動物がキリストを囲んでいます。
Chartre22午後の方が日が入って美しいと聞いていましたが、観光客が大変多いと聞いていたので、朝一番に訪れました。シャルトルの天井は高さ37mです。
シャルトルの堂内が暗いのは、12世紀から13世紀のステンドグラスがほとんどだからだそうです。

Chartre19_2内陣を囲む彫刻壁(16世紀)。ステンドグラスに限らず、彫刻にも物語が描かれています。シャルトル大聖堂には彫刻が4272体あるそうです。

Chartre18内陣の大理石の聖母被昇天像(18世紀)。

Chartre06身廊の床の聖地エルサレムへの困難な道を象徴する巨大なラビリンス(迷宮)。

黒石と、石灰石の白い石でつくられたものだそうです。かつての信者達はこの円周13m、中心までの約262mの迷路を膝まづいてたどったそうです。

中世の大聖堂にはほとんどあったものだそうですが、ほとんど崩壊してしまい、現在残っているのは、シャルトル、ランス、アミアンの3箇所のみだそうです。

ファサードを身廊側にばたんと倒したら、薔薇窓の中心が迷路の中心にちょうど重なるそうです。

Chartre05シャルトル大聖堂がゴシック建築の最高峰と言われる理由の一つは、質・量ともに優れたステンドグラスです。

総面積2000メートルを越えるステンドグラスが聖堂を飾っています。

この三連のステンドグラスは大聖堂最古のものでキリスト教教義の集約というべきもので、右がキリストの系図を示すエッサイの樹、中央がキリストの生涯、左がキリストの死と復活を表しているそうです。
Chartre09シャルトル大聖堂は第二次世界大戦の戦火を免れました。

当時、町の人々が協力してステンドグラスを取り外し、安全な場所へ違う場所に避難させ、戦後何年もかかって再び元通りに取り付けたそうです。
これだけ高い建物ですから、どれほど大変な作業だったか、想像がつきません。
Chartre08

Chartre10ゴシック様式初期のこの薔薇窓も息を飲む美しさです。
Chartre11日が差すと万華鏡のような美しさです。
Chartre13左のステンドガラスが、12世紀の傑作「美しき絵ガラスの聖母」。
Chartre14キリストを抱く聖母マリアの姿が描かれています。

聖母子を描いた12世紀のガラス3枚を、13世紀のガラスに組み合わせたものだそうです。 確かに12世紀のガラスのほうが透明度が高かったです。

この特に澄んだ青色がシャルトルブルーと呼ばれていて、この青色を出すため、顔料になるコバルトを中東まで買いにいったそうです。この微妙な色合いは現代の技術をもってしても難しいそうです。

13世紀になって建築技術がすすみ、窓が大きくとれるようになると、高価な顔料ではまかないきれず、地元でとれる顔料を使ったそうです。

Chartre15「旧約聖書」の預言者が描かれています。

ステンドグラスは、文字の読めない人が多かった時代に、人々に聖書の物語を伝える役割を持っていました。

Chartre20シャルトル大聖堂の正式名称は、ノートルダム大聖堂、つまり聖母マリアに捧げられた教会です。周歩廊北側の16世紀の「柱の聖母」。多くの人が祈りを捧げていました。

Chartre03シャルトルでは毎年春から9月まで日没後毎日Chartre en Lumieresが開催されます。
Chartre25大聖堂をはじめ町の様々な建物が最先端のレーザー光線テクノロジーで色鮮やかにライトアップされ、光と色の幻想的なモニュメントとなります。
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Chartre27サンテニャン教会(Eglise St-Aignan)。
Chartre30劇場。
Chartre38大聖堂の北扉口は、
Chartre31このようになっていました。
Chartre39素晴らしい技術です。
Chartre32ハイテクと世界遺産の融合。

シャルトル大聖堂自体がステンドグラスになりました。
Chartre33大聖堂に映し出される映像は刻一刻と変化し、見ている私達を飽きさせません。
Chartre34最後は「美しき絵ガラスの聖母」のライトアップでフィナーレです。
Chartre14_3 「美しき絵ガラスの聖母」。

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