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2008-09-14

レ・メゾン・ドゥ・ブリクールの週末②ディナー編

Cancale36_2☆画像をクリックすると拡大されます☆

カンカルにある、2006年に念願の三ツ星を果たしたレストラン、レ・メゾン・ドゥ・ブリクール(Les Maisons de Bricourt)Relais Gourmand Olivier ROELLINGER

レ・メゾン・ドゥ・ブリクールという名前が一般的に有名ですが、このレストランを含めてビストロ、ホテル、パティスリーなどのブティックを含むシェフのオリヴィエ・ロランジェ(Olivier Roellinger)さんが経営するものすべてをまとめたものが、レ・メゾン・ドゥ・ブリクールだそうです。

Cancale35オリヴィエさんは、スパイスの魔術師と呼ばれ、異国のスパイスが彼の発想の源となっているそうです。ブルターニュの豊かな海の幸を贅沢に使い、それをエキゾチックなスパイスを使ってモダンに仕上げるお料理で有名です。

彼はこのカンカルで生まれ育ち、大学では化学を専攻していたというシェフとしてはユニークな経歴を持っています。オリヴィエさんは、この地を離れたどこかで料理を学んだこともなければ、誰かの弟子についたこともない独学のシェフです。自らの発想で世界を切り開き独学でミシュランの三ツ星に登り詰めたという才能は、フランス料理界でも一目置かれる存在だそう。

彼は自分が生まれ育ったこの場所以外で、無理やり材料を集めて自分の料理を作ってみせることに意味を感じていない彼は、パリや海外でのビジネスには全く興味がないそうです。

この厨房をそっくり持っていけないから、東京に支店を出すことにも興味はないそうです。お客様に提供する品質への真摯なこだわりが感じられますね。

ただ日本人の味覚は繊細だとご存知なので、日本人のゲストは大歓迎だそうです。

お料理は、西洋と東洋の料理の融合を目指しているため100種類以上のスパイスを使っているそうです。

Cancale37オリヴィエさんの生家をレストランにしています。いかにも個人邸宅風で素敵です。
クラシックなブルジョワ家庭の面影を感じます。さぞかし優雅な子供時代を過ごしたのでしょうね。

名前を告げると、すぐにお店の前で私のカメラで写真を撮ってくれました。

Cancale38明るい店内。

Cancale39お料理のメニュー。食後にデザートのオーダーをとるお店もありますが、ここでは最初にデザートのオーダーまでするスタイルでした。
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Cancale41伊万里風のお皿。最近フランスでは、空前の日本食ブームなため、星付きレストランでは、和食の食材を使ったり、お皿も和を意識したものが多い気がします。

Cancale42オマールのお料理を注文したので、生きたオマールをかごに入れて見せに来てくれました。これがオマール海老で最高品質とされるオマール・ブルトン(ブルターニュのオマール)。ここまで育つのに5年以上かかるそうです。

Cancale433種類のアミューズ・ブーシュ。温めた黒い石はかなり和の雰囲気。的鯛も懐かしい感じ。魚介類はその日に浜に上がる漁船から直接吟味して仕入れるそうです。

Cancale45定番の貝の器に入った3つのオードブル。

Cancale46ビネガーを効かせたかにミソソースとカニの甲羅のフォン(ソースのベースに使われる出汁)に甘口ワインを入れたジュレ添えは美味しかったです。バジルときゅうりが入ったつぶ貝は爽やかで美味。

Cancale47自家製パンは、アルグ(海藻入り)、セーグル(ライ麦)、ルヴァン(天然酵母)の3種類。

Pascal Beillevaireのバターも有塩バター、胡椒入り、海藻入りの3種類。

特に海藻入りのパンとバターは風味豊かで美味しかったです。このパンとバターだけで大満足になってしまいました。

Cancale49 オマールの前菜には、Domaine Deux Roches(ドメーヌ・ドゥー・ロッシュ)のサン・ヴェラン(Saint Veran)2006年ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieilles Vignes, 樹齢の高いブドウから収穫されたブドウで造られるワイン)をグラスで注文しました。

Cancale50Petit homard cuit a la commande aux saveurs de "L'ill aux epices"(2人分、95ユーロ)
 
先ほど見せてもらったオマールなので、もちろん新鮮でミネラル感たっぷり。

ほのかな甘さ、弾けるような身を噛み締めると、海の香りが口中に広がります。タイ料理のココナッツカレーのイメージのソースも合っています。

左の縦にプレゼンしているソースはシェフオリジナルのバルサミコ酢をマイルドにして少し甘くしたようなケルト酢(Vinaigre Celtique)。

かつてブルターニュはインドや中国から珍しいスパイスが運ばれて来た土地だそうです。
この鮮やかなほどシンプルなお料理には、そんなブルターニュの風土と歴史に基づく伝統を踏まえた彼の世界観を感じました。

Cancale51フィンガーボール。

Cancale52食後にはおしぼりが出てきました。

Cancale53 アニョー(仔羊)。

La selle rotie a la broche les braises, "poudre grande caravane" (2人分、118ユーロ)

レ・メゾン・ドゥ・ブリクールでは、モン・サン・ミッシェル湾沿岸の海辺で、潮風にさらされた草だけを食べて育ったほのかに潮の香りのする高級素材のプレ・サレと呼ばれる仔羊(L'agneau de pre sale)のローストが有名なのですが、以前他のレストランでいただいたことがあるので、今回はよりスパイスがより効いていそうなこのメニューにしました。

Cancale54先ほど写真を撮ってくれたマネージャー格の方が、取り分けてくれます。
Cancale56手前は、パリパリに焼かれた外側の部分。ここが美味しいんですよね。でも持っていってしまいましたが。
Cancale57
Cancale116オリヴィエさんのお料理は、縦に食材を並べるプレゼンテーションですね。

Cancale58付け合せのピクルスなど。

Cancale59 メインに合わせるワインは、Sylvie Esmonin(シルヴィ・エモナン)のジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003を選びました。

凝縮感のあるまるでジャムのような力強く濃厚な味わいのとても美味しいワインでした(ちなみに彼女のジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サンジャックは大変有名です)。

ワインは、三ツ星レストランの割には良心的な価格で提供されている印象でした。

Cancale60飾られている絵画もやはりオマール。

Cancale61 先ほどのアニョーを食べ終えて、最初にデザートを聞かれていたこともあり気分はすっかりデザートに向いていたのですが、パンを持ってきてくれたので変だなと思っていたら、アニョーのお皿がまだありました。真ん中の細長いものは、先程持って行かれてしまった、パリパリに焼かれたお肉の外側の部分です。

このお料理は、思っていたよりオーソドックスな美味しさで、スパイスづかいは想像したより控え目だったと思います。
Cancale63Framboises au sucre d'or, fleurs de sureau, gelée d'eau de rose et basilic du Siam(25ユーロ)。.ローズのゼリーが爽やかでした。

Cancale64確かUne pulpe de fruits de la passion et abricots secs, un chocolat blanc chaud au macis et de la noix de coco(25ユーロ)。デザートのソースにはスパイスがふんだんに使われていて、オリヴィエさんの本領が一番発揮されていた印象を持ちました。

Cancale65ドリンクのメニュー。

Cancale66暖かい飲み物。船乗りのグロッグという意味のグロッグ・マラン(Grog marin)

グロッグは、ラム酒やブランデーをお湯で割り、お砂糖とレモンを加えた飲み物です。オリヴィエさんのブティックでは、この素をレシピ付きで購入できます。

Cancale67ミニャルディーズ(食後のお茶とともに提供する小さなお菓子)。

スパイスボックスに、キャラメル、ゼリー、ギモーブ(マシュマロ)、フロランタン(蜂蜜・バター・生クリーム・アーモンドスライスをたっぷり使って作られた、ヨーロッパの伝統的な焼き菓子)が入っていて、スパイスをつけていただきます。

左上のアプリコットのゼリーは、甘さより酸味と塩味(!)が効いていて、日本のようかんよりも濃厚な舌触りと合わせて、この中では一番印象に残った味わいでした。

Cancale68チョコレートも“カンカル”のカキの形。

Cancale69お砂糖も“カンカル”のカキの形。

Cancale70ベルギーやフランスではコーヒーを注文するとエスプレッソが出てくるのが普通なので、コーヒーがたっぷり出てくると嬉しいです。

Cancale71_2 アンフュジオン(ハーブティ)は、星の夢(Reve d'etoiles)という名前の2006年の三ツ星昇格記念のものだそうです。元気にもなるし、落ち着ける作用もあるお茶だそうです。

Cancale72繊細で香り豊かなお料理を堪能しました。

サービス(お料理の説明・サービス時の振る舞い・見送りなど)については、歴史のあるトロワグロ、オーベルジュ・ドゥ・リルと比べて若干劣る気がしましたが、フランス人のお客さんもテーブルで気軽に写真撮影をスタッフに頼めるほど、サービススタッフは気取らない振る舞いで、皆感じが良かったです。

Cancale73 ホテルの予約が取れなかったため、今回は海岸通りのホテルまで帰りましたが、レ・メゾン・ドゥ・ブリクールの宿泊客(ホテルはちょっと離れたところにあります)にはホテルからレストランまでの送迎サービスがあるそうです。

オリヴィエさんは、カンカルの隣町にル・コキアージュ(Le Coquillage)という海を見下ろす優雅なロケーションのビストロも展開しています。機会があれば、そちらのお店にも是非行ってみたいです。

Relais Gourmand Olivier Roellinger
1, rue Duguesclin
35260 Cancale

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