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2008-09-24

巡礼の天空の聖堂・世界遺産モン・サン・ミッシェル

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Cancale117カンカルの記事に掲載したこの写真だけでモン・サン・ミッシェルについて終わらせてしまうのは、あまりにモン・サン・ミッシェルに対して申し訳ないので、
Montsaintmichel01ちょっと過去になりますが、昨年の春に訪れたモン・サン・ミッシェルについても記事にしてみたいと思います。
Montsaintmichel03ノルマンディ地方とブルターニュ地方の境界のサン・マロ湾の上に浮かぶ世界遺産の小島、モン・サン・ミッシェル(大天使ミカエルの山、という意味)は、岩山にそびえる壮麗な修道院と、潮の満ち引きがヨーロッパで一番大きい砂浜で知られる、フランスで最も有名な巡礼地であり、フランス屈指の観光地です。
Montsaintmichel04708年、アブランシュ司教聖オベールが夢の中で神のお告げを受けて小さな礼拝堂を建てたことからモン・サン・ミッシェルの歴史は始まります。また、モン・サン・ミッシュルは、キリスト教の巡礼地であるとともに、14世紀の百年戦争中は英仏海峡に浮かぶ要塞としての役目を果たしフランスの愛国心の象徴となり、16世紀初頭の宗教戦争ではカトリックの要塞としてプロテスタント教徒たちの攻撃の対象となり、ナポレオン1世の治世には監獄として使われたりと、数奇な運命をたどりながらも波乱の歴史を耐え抜いた修道院です。モン・サン・ミッシェルは世界的な観光地でかなり混むと聞いていたので、モン・サン・ミッシェルの中にあるホテルに一泊することにしました。
Montsaintmichel11夕暮れどきのモン・サン・ミッシェル
Montsaintmichel12独特の気品と風格を漂わせています。
Montsaintmichel10時間、天気、光によって刻々と表情が変わると言われています。

中世の巡礼者は、この海に浮かぶ修道院の美しいシルエットに胸打たれたでしょうね。

Montsaintmichel13ジャンヌ・ダルクは、モン・サン・ミッシェルのことを“喜びの山”と呼び、

Montsaintmichel14ヴィクトル・ユゴー“海上のピラミッド”と呼んだそうです。

Montsaintmichel15ホテルは名物料理巨大オムレツで有名なラ・メール・プーラール(La Mere Poulard)外から巨大オムレツの実演が見られるので、観光客たちも立ち止まって見ています。

卵を大きなボウルに割りいれて、激しく泡立ててからフライパンに流し込み、丸太の薪が燃えている暖炉で、じっくり焼き上げます。監獄だったモン・サン・ミッシェルが1888年に国の歴史記念物になった頃に、プーラールおばさんが夫と一緒に巡礼者たちを受け入れるため始めた宿です。
Montsaintmichel17ホテルの部屋には、有名なプーラールのクッキーが。ブルターニュやノルマンディのサービスエリアのお店でも売っているところがあります。確か東京の成城石井でも見たことがあったと思います。

Montsaintmichel16朝一番で修道院の観光に行きます。修道院の上から見る景色。潮の干満の差は最大時で12メートルにも及び、満潮になると時速20キロの速度で海水が走り抜けるそうです。

Montsaintmichel1811~12世紀頃のロマネスク様式のベネディクト派修道院。尖塔の上には、大天使ミカエルが金色に輝いています。

Montsaintmichel19修道院は、波乱の歴史から増改築を余儀なくされたため、中世のヨーロッパでの建築様式が混ざり合う独特の建築芸術になっています。
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Montsaintmichel21ラ・メルウ゛ィイユ(驚異の建築)の最上階にある、ゴシック建築の傑作と言われる天空の回廊。
Montsaintmichel22修道士の食堂。ゴシック建築の時代ですが、光のあまり入らない小さい窓はロマネスク様式を思い起こさせます。修道士達はここで沈黙して食事をしていたそうです。
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Montsaintmichel25厳粛な雰囲気の太柱の礼拝堂。修道院付属教会のゴシック式内陣を支える土台として、15世紀半ばにつくられたものだそうです。
Montsaintmichel50ナポレオン1世の治世に、囚人の労働に使われた大車輪。大車輪の中に囚人を7人歩かせ、車輪をまわすことでロープにくくりつけた梯子を運びあげ、建築のための石を運び上げていたそうです。暗い歴史の足跡も修道院のところどころで見られます。
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Montsaintmichel32ロマネスク様式からゴシック様式への転換期につくられた修道士の遊歩場。ここの円天井は交差リブになっていて、ゴシック建築の到来を告げています。
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Montsaintmichel41下から見上げる修道院のこの迫力。沖合から石を切り出して船で島まで運び、更に急斜面を運び上げる作業と、一階・二階を整えるために山を掘削するという作業によって、海に囲まれた急斜面の岩山しかなかった小島の頂上にこれだけの規模の修道院を建築したことに、ただただ驚くばかりです。
Montsaintmichel45朝一番の修道院観光を終えた頃は観光客が押し寄せてきました。
Montsaintmichel42巨大オムレツの実演中。
Montsaintmichel43 お味は特に美味しいものではないと聞いていましたが、卵は当時貴重なものだったでしょうし、空腹と疲れをこらえてやっとこの聖地に辿り着いた巡礼者たちはこの大きなオムレツで心も身体も癒されたでしょうから、その想いを少しだけ体験する意味で、やはりオムレツをオーダーすることに。
Montsaintmichel44泡立てて空気をたくさん含ませるため、ボリュームの割には軽く食べられます。オムレツというよりスフレに近い印象でした。
Montsaintmichel46かつて巡礼者たちは、引き潮のときを見計らって干潟を歩いて渡りました。潮に飲み込まれて命を落とした巡礼者も少なくなかったそうです。
Montsaintmichel47あまりの危険さに「モン・サン・ミッシェルに行くなら遺書を置いて行け」という言葉が生まれたほどでしたが、巡礼者たちはまさに命がけで巡礼に向かいました。

Montsaintmichel49 今日はここまで水が漬かります、とのお知らせ。たまに車が流されてしまうこともあるとか。私もここに車を停めましたが、翌朝車を見たら、タイヤが20センチほど水に浸かっていたようでした。
Montsaintmichel48 2006年から本来のモン・サン・ミッシェルの景観回復プロジェクトが始まっています。

モン・サン・ミッシェルの麓まで続いている道路があるのですが、その道路の設置により潮の流れが変化して砂が堆積するようになり、自然の潮の流れが妨げられ、かつての景観が失われつつあることから、砂を除去するプロジェクトが始まっています。

完了すれば観光客は島から2キロ離れた駐車場で降りて、無料のシャトルバスを利用するようになるそうです。2012年完了予定でしたが、遅延していて2015年に完成予定だそうです。

Montsaint2015年にはこんな感じになるそうです(プロジェクトのサイトから)。

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