« トスカーナの休日③陸の孤島ヴォルテッラから塔の町サン・ジミニャーノへ | トップページ | フランシュ・コンテの週末②パストゥールの生誕地、アルボアの町を散策 »

2009-10-05

フランシュ・コンテの週末①黄色いワインヴァン・ジョーヌ(Vin Jaune)を求めジュラワインの中心地、アルボアへ

Jura_8ブルゴーニュのボーヌから車で1時間ほど走ると、 ブルゴーニュ地方とスイスに挟まれたジュラ山脈のふもとに広がる、フランシュ・コンテ地方に入ります。
フランシュ・コンテ地方は、生産量の少ない個性的なジュラワイン(ブドウ畑は、ジュラ山脈の麓に長さ80km、幅6kmにわたって点在。赤・白・ロゼのほかにこの地方独特の“ヴァン・ジョーヌ(黄色ワイン)”“ヴァン・ド・パイユ(藁ワイン)”などを産出)と、フランスで一番生産量が多いチーズ、コンテチーズで有名です。

まずはジュラワインの中心地、アルボア(Arbois)に向かいます。
Jura1_2ジュラワインが日本で何故有名でないかというと、その生産量の少なさが原因のようです。フランス国内でもなかなか目にする機会はありません。

某ソムリエ協会の教本ではジュラ地方とサヴォワ地方が同じページ、若しくは、同じ項になっており、大体一まとめに“ジュラ・サヴォワ地方”と覚えてしまうものらしいですが、実際は車で3時間も離れているので、気候、土壌、葡萄品種など全く異なる性質の生産地です。

フランシュ・コンテ地方にはヴァン・ジョーヌ(黄色ワイン)というこの地方でしかお目にかかれない独特のワインがあります。スペインのシェリー酒にも似たナッツを思わせる香りは6年間の熟成を経てもたらされるものです。
Jura2コンテチーズが作られる牛。
Jura4アルボアは、近代細菌学の開祖、ルイ・パストゥール(Louis Pasteur、フランスの生化学者、細菌学者)の生誕地でも有名です。

パストゥールは、牛乳、ワイン、ビールの腐敗を防ぐ低温での殺菌法、ワクチンの予防接種という方法を開発し、狂犬病ワクチン、ニワトリコレラワクチンを発明しました。
Jura5スイスに近いので、スイスのような牧歌的な景色が続きますが、やはりフランスのフィルターを通すと、スイスに似ているのだけどフランスっぽいというか、スイスより少し洗練された印象を受けます。
Jura7ブルゴーニュのコート・ドールとほぼ平行して連なるジュラ山脈の西の斜面にブドウ畑が広がります。
Jura8アルボアに到着。
Jura9アルボアの教会が見えてきました。
Jura12アルボワの町の中心。小さな町ですが、この地方の大手ワイン生産者、有名なショコラティエ、ミシュラン2つ星のレストランがあります。
Jura13町中に試飲出来るカーブも沢山ありますが、今回は "ビオディナミ" と "ジュラワイン"この2つのキーワードで著名ドメーヌのステファン・ティソ(Domaine Stephane Tissot)へ。

現在はアルボアに20ha、コート・ド・ジュラに10haの畑を所有する、個人経営では比較的大きいドメーヌです。初代のお爺様はもう他界されましたが、お父様がアンドレさん、お母様がミレイユさんとご両親の名前がドメーヌ名となっていますが、現在は3代目のステファンさんが全部の醸造を管理しています。もともと自然農法を取り入れていたドメーヌだったそうですが、ステファンの代から完全無農薬に切り替え、現在はビオディナミです。

ステファン・ティソのワインは、ジュラの伝統的な“ヴァン・ジョーヌ(黄色ワイン)”“ヴァン・ド・パイユ(藁ワイン)”だけでなく、シャルドネはクラスマンのワイン評論家、ミシェル・ベタン氏などから「ブルゴーニュのグラン・クリュに比肩する」と絶賛されています。
Jura14店内。A.O.Cは、大きく分けて以下の4つになります。

コート・デュ・ジュラ(Cote du Jura)<白、赤、ロゼ、黄、藁、泡>
アルボワ(Arbois)<白、赤、ロゼ、黄、藁>
シャトー・シャロン(Chateau-Chalon)<黄>
レトワール(L'Etoire)<白、泡>

このほかに、ヴァン・ド・リキュール(Vin de Liqueur)マックヴァン・デュ・ジュラ(Macvin du jura)などがあります。
Jura16
Jura17
Jura15ドメーヌの各ワインの畑の土壌がクリアな大きな筒に入っていてオシャレです。表土が薄く石灰岩と粘土層が複雑に折り重なっています。これは、ジュラの名の由来でもある“ジュラ紀”の特徴的地層"石灰と泥灰"だそうです。ステファン・ティソが造る白ワインが24ヶ月も樽の中にあってもしっかりとしたボディを保つのは、この地層から得られる豊富な鉱物ミネラルが大きく影響しているそうです。
Jura19リストを見せてもらって興味のあるものを試飲させて頂きました。
Jura20 ピノ・ノワール、シャルドネなどのブルゴーニュ系品種も良いのですが、やはりジュラならではの白ぶどう、サヴァニャン(Savagnin)で造った使ったワインが面白かったです。サヴァニャンはジュラ地方のワインに広く使われますが、この品種による特に有名なワインが黄ワイン(ヴァン・ジョーヌ)です。
ちなみにサヴァニャンゲヴュルツ・トラミネールの従兄弟品種だそうです。

<ヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)の醸造法>

十分に糖度の上がったサヴァニャンの収穫

白ワインとして醸造

木樽に詰める

最低6年は樽熟成。その間の目減りぶんの補充および澱引きはしないことにより、ワインの表面に酵母の皮膜が形成されるため、酸化も防いで旨みも形成され、色も白から黄色に変化するし、クルミ(ノワ)、ヘーゼルナッツ(ノワゼット)、グリルしたアーモンド(アマンドグリエ)の風味、シェリー、カレーの香辛料のような独特の香りになる。
↓   
写真左のようなクラヴラン(Clavelin)62clの瓶に詰める。
Jura21黄色ワイン以外にこの地方独特のワインは、陰干ししたぶどうから造られる甘口の藁ワイン、ヴァン・ド・パイユ(Vin de Paille)、ブドウ果汁とジュラのマール酒(ブドウ搾りかすを原料とするブランデー)のブレンドを樽熟成させて造られる甘口ワイン、マックヴァン(Macvin)などです。
Jura18今まで頂いたことのないような個性的なワインが多く、楽しい試飲でした。
Fc18_2購入したもの。マックヴァン(白)。くるみ、スパイス、バニラの香り、とろりとしている口当たりがなんともクセになります。
Fc6マックヴァン(赤)
Fc2アルボアのシャルドネ
Fc8シャルドネで造られているラ・マイヨーシュ(La Mailloche)

粘土石灰と黄土が混じる土壌だそうです。2006年は既に飲むことが出来るけれど、20年間は十分キープ出来るそうです。
Fc9グリル、スモーク、スパイス、花梨、洋梨、オレンジの皮、ハーブの香り、酸とミネラルがあって、しっかりしているのですが、口当たりが丸く、優しい味わいのある魅力的なワイン。豚肉、鶏肉のような白い肉や、魚、チーズによく合うそうです。
Fc16サヴァニャンを使ったヴァン・ジョーヌ(2001)

ヴァン・ジョーヌクラヴランという普通のワインボトルより容量が少ない620ml入りのボトルに入っています。ヴァン・ジョーヌは樽に最低6年寝かせますので、蒸発していきます。樽貯蔵時に蒸発によって目減りしたワインを補充せずにゆっくりと熟成させてこの620mlのボトルに入れます(1リットル分が6年間の熟成期間で残るのがこの量だそう)。
Fc17ジュラ地方では、長期熟成させた栗に似た味わいのコンテチーズと合わせたり、モリーユ茸などのきのこを使った料理、トリュフ、カレー粉を使った料理と合わせたり、食後酒として楽しんでいるそうです。若いうちから飲めますが、50年以上もキープできるそうです。
Fc10ヴァン・ジョーヌより濃い黄色の貴腐ワインのような、藁ワインという意味のヴァン・ド・パイユ(Vin de Paille)。パイユは「藁」の意味です。
Fc11収穫後、最低2ヶ月間、藁の上で収穫されたブドウを干しぶどう状になるまで乾燥させ、糖分を濃縮させてから醸造します。最良のブドウのみで造るため、毎年生産できるとは限らないそうです。


アルボアのサイト(英語・仏語)

ジュラ地方のサイト(英語・仏語、他)

ジュラワインのサイト(英語・仏語、他)

La Percee du Vin Jaune(ヴァン・ジョーヌのお祭りのサイト)

Percee du Vin Jaune Poligny 2010(ヴァン・ジョーヌのお祭りの動画)

|

« トスカーナの休日③陸の孤島ヴォルテッラから塔の町サン・ジミニャーノへ | トップページ | フランシュ・コンテの週末②パストゥールの生誕地、アルボアの町を散策 »

フランシュ・コンテ」カテゴリの記事

フランスのワインの村」カテゴリの記事