ヨーロッパのオペラハウス

2008-02-04

〔今日のおまけ〕モーツアルトの『フィガロの結婚』 ベルリン国立歌劇場

Berlin07 ベルリンで最も古い歴史を持つベルリン国立歌劇場。第二次世界大戦中に2回の爆撃を受けましたが、建物はすべて修復されたそうです。若手からベテランまで、歌手や演出家の層の厚さを誇る稀有なオペラハウスだそうです。
Berlin116オペラ座の近くのクリスマスマーケット。
Berlin115後ろに見えているのがオペラ座。ヨーロッパではよく見かける風景ですが、スケート靴を履いてあらゆる年代の人が気軽にアイススケートを楽しんでいる風景はいつも微笑ましく思います。
Berlin117滞在中に『フィガロの結婚』を上演していたので、鑑賞しました。
Berlin118日本と違って、オペラ鑑賞がヨーロッパ人にとって決して特別なことではないということなのかもしれませんが、ウィーン国立歌劇場やバイエルン国立歌劇場などの有名なオペラ劇場と違って、劇場内の雰囲気や客層からは華やかさはあまり感じられませんでした。

ただし、度々来日もしているこのオペラ劇場の音楽監督ダニエル・バレンホイムが、得意とするワーグナーを指揮をするときには、客層が華やかになりヨーロッパ随一の社交場となるそうです。
Berlin121_2舞台装置や衣装は地味な印象でしたが、声量がある歌手が多く、臨場感のある舞台で、とても楽しめました。

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2007-12-26

モーツアルトの『魔笛』 バイエルン国立歌劇場

Munchen47 ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場
モーツアルトの『魔笛』を観ました。
バイエルン国立歌劇場は、ウィーン国立歌劇場ミラノ・スカラ座と並ぶオペラ3大歌劇場の1つです。
オペラ座の前に観光バスが沢山止まっていますが、ミュンヘンという土地柄、ほとんどがドイツ国内からの観光客だそうです。
Munchen48劇場の内装は白と赤を基調にしており、大きなシャンデリアがまばゆい光をはなっていて、目が覚めるほどに華麗です。

ウィーン国立歌劇場と比べると、観客は観光客よりもドイツ人の保守的なお金持ち(上流階級風)が多い印象を受けました。スノッブな人があまりいなく、観客全体が落ち着いていて、感じの良い印象を受けました。

またウィーン国立歌劇場のように場内、ロビーなどで記念写真を撮っている人は誰もいません。(場内で写真を撮っているのは私だけでした)。

服装に関しては、ウィーン国立歌劇場よりもドレスアップしている人、男性も白いシャツに蝶ネクタイの人が多かったですし、伝統的なマナーを守っている印象でした。特に女性の服装が素敵な人が多かったです。

バイエルン国立歌劇場のワーグナー(『トリスタンとイゾルデ』、『ニュルベルクのマイスタージンガー』などは、たしかここで初演されています)作品の演奏は、バイエルン国立歌劇場にとっていわばお家芸ですので得意とするところですが、モーツアルト作品も素晴らしいと以前から聞いており、楽しみにしていました。
Munchen49 バイエルン国立歌劇場の1983年のヴォルフガング・サヴァリッシュの指揮、アウグスト・エヴァーディングの演出、ユンゲル・ローゼの装置、グルヴェローヴァをはじめ最高の歌手陣の魔笛のDVDを持っているのですが、今回の魔笛の演出、装置はDVDとほとんど同じでしたが、少し内容が進化していました。演奏はもちろんお手の物という感じですし、すべての面に関してセンスと安定感があるという感じです。楽しく、美しく、メルヘンチックな舞台で楽しめました。

家族でオペラを鑑賞しに来ている人が多く、子供(小学生くらい)の人数が少なくなかったため、パパゲーノの場面では会場は笑いが絶えませんでした。子供もちゃんとした格好で来ており、椅子を高くするために特別な座布団を敷いて鑑賞していました。子供のときからオペラに慣れ親しむ機会が多いのでしょうね。マナーもしっかりとしていました。

1つだけ贅沢を言えば、一番好きなアリア第二幕の夜の女王のアリア“復讐の心は地獄のように燃え”は、当日はErika Miklosaだったのですが、好みの問題でしょうけれど、私はDVDのエディタ・グルベローヴァ(Edita Gruberova)(You Tube)の方が好きでした。
また冒頭の夜の女王が、月の中に登場するシルエットのシーンは、何度見ても素敵です。

いつかライブで聴きたいダイアナ・ダムラウ(Diana Damrau)の夜の女王(You Tube)も素晴らしいです。

映画「アマデウス」(YouTube)にもこのアリアは出てきます。この映像を観ていると、もしタイムマシンがあったら、絶対にモーツアルト指揮の『魔笛』を聴いてみたい!と思ってしまいます。

次回は是非、『トリスタンとイゾルデ』(You Tube)バイエルン国立歌劇場での『トリスタンとイゾルデ』は、熱狂で観客席が燃え上がってしまうほど盛り上がると言われています)を観たいと思います。

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2006-08-16

まさに“真夏の夜の夢”!ヴェローナの野外オペラ

Arenadiverona01_6夏のヨーロッパでは、趣向を凝らした演劇や音楽祭などが各地で開催され、芸術を身近に感じる機会が本当に多いです。

その中でも、毎年6月下旬から8月にかけて開催され、世界中のオペラファンが足を運ぶといわれているのが、ヴェローナの野外オペラ。この野外オペラは、オペラの舞台の素晴らしさだけでなく、世界中の一流歌劇場で活躍中の歌手たち、演奏家、指揮者、演出家が参加することで有名です。

今回初めて、憧れのヴェローナの野外オペラに行ってきました。(チケットはArena di Veronaのサイトで購入できます。ただ、人気のオペラなので、早めに購入されることをお薦めします。私は2月に購入しました)

ヴェローナはミラノとヴェネツィアのほぼ中間にある町で(ミラノから特急で約1時間半です)、古代ローマ遺跡が残る古都です。シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」のモデルになった家があることで有名ですし、ゲーテの「イタリア紀行」にも書かれています。 (イタリアの列車のチケットはこちらのサイトで簡単に購入出来ます。時刻表も見られるので便利なサイトです)

Arenadiverona50野外オペラの舞台となるヴェローナのアレーナ(円形闘技場)は、1世紀に建築されたもので、ほぼ完全な姿で残されている貴重な建造物です。
大きさは長さ152m 幅128m 高さ30mで、ローマのコロッセオ、ナポリ郊外のカープアの円形劇場に次いで3番目の規模、また保存状態の良さでは、南仏アルル、ニームの円形競技場と並び賞されているようです。アレーナの中に2万2000人の席が用意されています。

Arenadiverona02こちらのショップでオペラグラスやプログラムが買えます。
Arenadiverona09入り口で配られるキャンドル。



Arenadiverona159時15分開演、夜中の1時過ぎに終わるため、階段席に座るとお尻が痛くなります。貸し座布団(1枚3ユーロ)を、多くの人が利用していました。常連の方の中には、マイ座布団を持参されている方もいらっしゃいました。
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Arenadiverona04開演前と、開演後の3回の休憩時間にシャンペン、ビール、水などが買える売店。




Arenadiverona08アレーナの中は、まさに古代ローマ帝国の世界!
ここでは映画「グラディエーター」に出てきたように、大衆への見世物として人間と猛獣を戦わせるような残酷な催しや公開処刑なども行われていたらしいですが、そんな過去の雰囲気は少しも感じられない、高揚感あふれる明るいムードでした。
Arenadiverona11気になるドレスコードは、アリーナ席にはイブニングドレスを着ている女性もいましたが、殆どの男性は襟付きの半袖シャツとパンツ、女性は普通におしゃれをしている程度の人が多く、想像していたよりカジュアルでした。オーケストラの女性達のドレスが素敵でした。
Arenadiverona13観客は入場時に1本のキャンドルを渡されます。開演前に観客席でそれを各々の観客が灯すのです。ヴェルディの生誕100年にあたる1913年の8月10日に「アイーダ」を上演したのがヴェローナオペラの始まりで、当時は電気の設備がなかったので、観客がプログラムを読む明かり、舞台を照らす明かりとしてキャンドルを使っていたそうです。その名残がヴェローナオペラの伝統として今も残っています。日が暮れ始めたアレーナでのところどころに揺らめいているキャンドルの光はとても幻想的で綺麗でした。
Arenadiverona18今日の演目は「カルメン」。通常ははオペラ上演中はカメラ撮影は禁止ですが、アレーナオペラは可能でした。
Arenadiverona60最初から最後までマイクなしで2万2000人の観客をうならせる声量は素晴らしいの一言!




Arenadiverona16壮大なスケールの舞台で何百人もの合唱が響きます。音響はもちろん室内の劇場よりは多少劣りますが、それでも美しさ・迫力は十分でした。
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Arenadiverona31ダンサーたちのフラメンコも見応えがありました。衣装も素敵です。





Arenadiverona20_1カーテンコール。ブラヴィ(イタリア語で複数の人に対する賞賛を表わす感嘆詞)の声がいつまでも鳴り止みませんでした。



Arenadiverona33_1美しい舞台美術・オペラの内容(特にカルメン役の歌手は声量・美声・演技力共素晴らしかった)もさることながら、ヴェローナの美しい夜空の下、爽やかな夏の夜風を受けながら、古代ローマを彷彿させる独特の雰囲気の中で観賞するオペラは、まさに真夏の夜の夢でした。

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