ロワールの古城とワインを巡る旅

2009-02-16

ロワールワインを巡る旅⑨トゥーレーヌ(Touraine)地区、シノン城(Château de Chinon)

Hiver208_2 翌朝ソーミュール城に別れを告げて、
Hiver209 シノン城(Château de Chinon)に向かいます。
Hiver210
Hiver211シノン(Chinon)に到着。
Hiver212シノン城(Château de Chinon)が見えてきました。シノン城(Château de Chinon)ロワールの古城の中で最も古いお城と言われています。
Hiver213お城といっても、シノン城は要壁に囲まれ、敵の侵入を妨げるため弓を引くための丸い塔が配置されており、敵の攻撃を妨げるための要塞の名残りが強く感じられました。 
Hiver214英仏百年戦争のさなか、神の啓示を受けた17歳のジャンヌ・ダルクは、シノン城に住んでいた王太子シャルル(のちのシャルル7世)を謁見します。

逸話では、シャルルは謁見の際、彼女を試すため側近たちの中に質素な服装で紛れていましたが、ジャンヌはすぐに本物のシャルルを見抜き、その前に跪いたそうです。

シャルルはこのことで、神のお告げにより参上したというジャンヌを信じ、兵を与えます。ジャンヌ・ダルクは、フランス国旗を掲げて軍隊の先頭に立ち、イギリス軍から陥落寸前だったオルレアンを開放します。そしてその後ランスで、この王太子を戴冠させます。

しかし2年後には、シャルル7世は、百年戦争を終わらせる政治的な駆け引きのために、イギリスに彼女を引き渡し、彼女を魔女として火あぶりの刑に処すことを認めます。

今では左の塔くらいしかお城の建物は残っていないそうです。

ロワール地方を南下して、ポワトゥー(Poitou)地方に向かいます。

<ロワール地方、トゥーレーヌ(Touraine)地区>

トゥールを中心としたロワール流域。
大西洋と大陸性の両方の影響を受けた気候に恵まれて、野菜、果物、花の産地。

シュナン・ブランの個性があるヴーヴレイシノンブルグイユなどが主な産地。
土壌は珪土質、粘土石灰質など多岐に渡り、ぶどう畑は日当たりの良い斜面にあるケースが多く、栽培条件に恵まれています。赤、白、ロゼ、クレマン(発泡性ワイン)を生産。

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2009-02-11

ロワールワインを巡る旅⑧ソーミュール城(Château de Saumur)

Hiver196_2ソーミュール(Saumur)の看板が見えてきました。
このあたりは王家の庭とも言われるだけあって、騎兵学校や国立乗馬学校、珍しい馬の博物館などがあるそうです。
Hiver197馬のオブジェ。
Hiver199ソーミュール城や町の教会は、このあたりで切り出された白い石灰岩で建造されたそうです。
Hiver198丘の上にそびえるソーミュール城が見えてきました。
Hiver200お城が見えてきました。
Hiver201ロワール河を、見下ろす小高い丘の上に佇むソーミュール城(Château de Saumur)

バランスのよい可憐なソーミュール城はロワールの古城の中でも人気があります。

このお城は、14世紀後半にアンジュ公のルイ1世が今の姿を造り上げたそうです。
お城の中には、装飾博物館、馬の博物館があるそうです。
Berrysaumur「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」にもお城とぶどう畑が描かれています。
Hiver202尖がっている塔の屋根が、一段と優雅さを感じさせます。この尖塔はアンジュ地方のお城の特徴だそうです。
Hiver204ソーミュールに宿泊しましたが、小さな町、季節柄ということもありなかなか適当なレストランが見つからず、ブラッセル(!)というレストランへ。名前の通り、ブリュッセルのムール貝のワイン蒸しが名物みたいでしたが、ムール貝はブリュッセルでいつでもいただけるので...
Hiver206アントルコットと、
Hiver207シュークルートを注文。
Hiver205ワインはグラスでソーミュールシノンをいただきました。

冬季は休業中ですが、ソーミュールメゾン・デュ・ヴァン(Maison du Vin)という、試飲も出来るインフォメーション・センターがあるそうです。

Maison du Vin de Saumur
Pascal BUSSON
Quai Lucien Gautier
49400 Saumur
Tel:02 41 38 45 83

☆今日の動画☆

France2で昨年の12月に放映されたワインを追い求める男達のドキュメンタリーChasseurs de Crus

フランスのグランヴァン収集家Michel Chasseuilの世界有数のカーヴの紹介(このカーブにカメラが入ったのは初めて)、世界中の珍しいワインを追い求めている輸入業者のClaude Gilois(白い髭の男性)、Olivier Poussier(2000年のソムリエ世界コンクールの優勝者、旧クラスマンの評価者の一人)がクリミア(ウクライナ)のマサンドラのぶどう畑と、ロシアの最後の皇帝ニコラス二世が造った、美味しく飲むことが可能な世界で一番古いヴィンテージワインがあるマサンドラ・コレクション(世界最大のオールドワイン・コレクションの一つで、その数は100万本を超えるといわれています)視察などの映像が続きます(カーブで彼らを案内している女性は、子供の頃母親と一緒にスターリンに呼ばれ、スターリンは彼女の母親に特別なワインを造ることを命じたそうです。彼女の造ったワインで誰かが頭が痛くなったり、お腹をこわしたりしたら娘を殺す(!)と言われたそうです)。

パリに戻り、Claude Giloisオテル・ド・クリヨン(Hôtel de Crillon)のソムリエに1948年のマサンドラを紹介し、最後に甲州ワインを求めて日本に向かいます(田崎真也さんも登場します。ちなみに日本についての映像は、16:35あたりから始まります)。フランス語ですが、ワインに興味がある方は楽しんでいただけると思います。

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2009-02-10

ロワールワインを巡る旅⑦アンジュ、ソーミュール(Anjou - Saumur)地区、アンジェ城

Hiver154アンジェに向かいます。
Hiver157世界遺産ロワール渓谷
Hiver159_2アンジェ城(Château d’Angers)の看板が見えてきました。
Hiver160アンジェ城のタピストリー
Hiver167_3アンジェは、フランスの3大ロゼワイン(①タヴェル・ロゼコート・ド・プロヴァンスロゼ・ダンジュの一つロゼ・ダンジュ(Rosé d'Anjou)でも有名です。

アンジェ城(Château d’Angers)は、周囲に直径18mの17の円塔を配した重厚なお城です。

Hiver16611世紀、アンジェ公が隣国の侵略を防ぐために建てたもので、1228年から1238年にかけて聖王ルイ9世によって再建されました。城壁は全長660メートルにも及ぶそうです。
Hiver164_2美しい庭園。
Hiver168
Hiver169庭の一角には15世紀初めに建てられた礼拝堂もあります。
Hiver170_2「黙示録のタピストリー」を展示するための特別に作られた展示室。
Hiver171ヨハネの黙示録が描かれた14世紀の「黙示録のタピストリー(La Tapisserie de l'Apocalypse)」

縦5メートル、長さ107メートルにおよぶ巨大な作品です。フランスで現存する最古のタピストリーだそうです。
Hiver180 ヨハネの黙示録は、ビジュアルに表現するのが難しい記述が多いにもかかわらず、想像力たくましく見事にタピストリーに表現されていて、見ていて飽きません。
Hiver172聖ヨハネ本を食べる(Saint Jean mange le Livre)。
Hiver173聖ミカエルとドラゴンの戦い(Saint Michel combat le Dragon)。
Hiver174女性が翼を受け取る(La Femme reçoit des ailes)。
Hiver175海の獣(La Bête de la mer)。
Hiver176ドラゴンの礼拝(L'adoration du Dragon)。
Hiver177獣の礼拝(L'adoration de la Bête)。
Hiver178あふれる桶(La cuve déborde)。
Hiver179悪魔の侵略によるバビロンの崩壊(La chute de Babylone envahie par les démons)。
Hiver191城壁は、上を回遊することができるようになっています。
Hiver192
Hiver193小さなぶどう畑もありました。
Hiver190メーヌ川
Hiver194サン・モーリス大聖堂
Hiver163 アンジェには、アンジェで生まれたオレンジのリキュール、コアントロー博物館もあるそうです。
Hiver162ソーミュールに向かいます。








<ロワール地方、アンジュ・ソーミュール(Anjou - Saumur)地区>


ロワール地方中央部。アンジェ市とソーミュール市からなる地域。赤、白、ロゼ、クレマン(発泡性ワイン)を生産。ソーミュールロゼ・ダンジュコトー・デュ・レイヨンの貴腐ワインが有名。

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2009-02-08

ロワールワインを巡る旅⑥ラ・トゥールを3点も所蔵!ナント美術館(Musee des Beaux-Arts)

Hiver121 ナントブルターニュ大公城。ブルターニュ公国の大公フランソワ2世によって建築が始められ、彼の娘アンヌ・ド・ブルターニュによって
完成されました。
Hiver120太い円塔の周りにはお堀の跡が残っています。
Hiver122ナントの勅令(1598年にアンリ4世がプロテスタント教徒らに信仰の自由を認め、宗教戦争の終結させた法令)が発布されたのもこの場所です。
Hiver123お城の近くにあるサン・ピエール大聖堂
Hiver1241970年代の大火で被害を受けて、塔、ステンドグラスなどは新しく作り直されたものだそうです。
Hiver129ナント美術館(Musee des Beaux-Arts)
Hiver130ブティック。
Hiver142_2

Hiver131天窓から光が入り、ところどころにソファーが置いてあるのでじっくり絵画を鑑賞できます。
Hiver132ポール・ボードリー(Paul Baudry)による「シャルロット・コルデー(Charlotte Corday)」

マラーはフランス革命期の急進的な政治党派だったジャコバン派の指導者でした。

シャルロット・コルデーは、マラーと対立する党が刺客として送った女性で、マラー宛ての嘆願書を口実にマラーのアパルトマンに通されます。

皮膚病を患っていたマラーは、浴槽に入ったままで彼女の嘆願書に目を通している隙に、シャルロットが隠し持っていたナイフで胸を刺され殺害されます。
ボードリーの想像らしいですが、優雅な装いです(当時のマラー暗殺の目撃者たちの証言は曖昧で意見が一致しないようです)。その美貌から、暗殺の天使と呼ばれたそうです。最後は断頭台へと消えました。

Hiver133シャルロット・コルデーの眼差しは虚ろで、焦点が定まっていません。自分が犯した事の重大さに気づいたのか、呆然自失、自責とも不安ともつかない複雑な表情をしています。マラーの「貴女が!」という叫び声に人が駆けつけた時、シャルロット・コルデーは窓のそばに石のように立っていたそうです。
Lemortdemarat“マラーの死”と言えば、ダヴィッドの「マラーの死」(ベルギー王立美術館所蔵)が有名です。
ダヴィッドは、マラー率いる革命党の党員で、民衆の前で演説までする過激派だったそうです。
マラーと親しかったため、暗殺の前日にもマラーを訪ねていたそうです。

ダヴィッドの作品は、木箱に“マラーに捧ぐ、ダヴィッド(A Marat DAVID)”と記されていることや、右腕の形がピエタの絵画や彫刻で見られるキリストの右腕の形と似ている点などから、英雄の追悼を目的としたものと言われています。
Hiver134ジョルジュ・ド・ラ・トゥールのコーナー。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは、17世紀前半に活躍し、ルイ13世から“国王付き画家”という称号を得ながら、
三十年戦争、フランス革命の混乱の中で作品の多くが消失してしまったこともあり、死後250年間ほとんど忘れ去られていた画家です。

再評価されはじめたのは、20世紀に入ってから。真作はわずか41点(実際はその10倍は描いたと言われています)で、“フランスのフェルメール”とも呼ばれています。

作品の多くは、蝋燭やランプのほのかな光に浮かび上がる静謐な“夜の情景”です。その細密な筆致、光と影の織り成す絶妙なコントラスト、静止し沈黙しているかに見える彼の静かな絵は、この光と影の生み出すドラマティックな効果によって、鑑賞者に言葉なき言葉を雄弁に語りかけてくるような気がします。

作家アンドレ・マルロー「いかなる画家も、レンブラントさえも、このような広大無辺の神秘的な沈黙を、暗示してはいない。夜の国の静謐な部分の唯一の伝達者である」と讃えました。
Hiver135「聖ペテロの否認(Le Reniement de Saint Pierre)」

以前、東京で開催されたラ・トゥール展でこの絵を鑑賞しました。今回の鑑賞は再会です。
ラ・トゥールの作品の中では、年譜が記載されている例外的なもので、1650年はラ・トゥールが亡くなる2年前です。

左側で召使いの問いを受け、否定するペテロ。左の二人は極めて深刻な緊張感をはらんでいるのに対し、画面右側の賭博に打ち興じる兵士たちの姿はより強い光源によって明るく描かれており、むしろ鑑賞者はそちらに目を引かれます。

絵画は二つの光源により画面が分けられてているため、一見散漫な印象を受けますが、良く見ると右端の兵士はいぶかしげな視線をペテロの方に向けており、そのため兵士たちに目を引かれた鑑賞者は、右端の兵士の視線を辿って再びペテロと召使いの場面に引き戻されます。散漫に見える構図にも、ラ・トゥールの深い思慮が働いているのです。
Hiver136ラ・トゥール初期の作品「ヴィエル弾き(Le Vielleur)」

19世紀の作家メリメが「ひどく汚くぞっとするほど真に迫った」作品と評した頃は、スペインの画家の作品だとされていました。

圧倒的な写実的描写の孤独そうな老人の姿は、静謐な雰囲気とあいまって悲愴感を感じさせます。
Hiver137この「聖ヨセフの夢(L'Apparition de l'ange a saint Joseph)」も、東京で展示されていたと思います。

この3枚の絵の中で一番好きな絵です。

幼子イエスの面影を感じさせる、翼がない(ラ・トゥールは、聖母マリアに光輪をつけなかったり、超自然的なものを持ち出さずに宗教画を描いています)美しい少女のような天使がヨセフにお告げをしているシーンです。

天使がかざす手の下で、ランプの炎はかすかに揺らいでいます。ヨセフはまどろみの中で天使の言葉を聞いているのでしょうか。光の中に浮かび上がる天使の優しく穏やかな表情がとてもいいです。何事かを無意識のうちにも予兆しているかのようにまどろんでいるヨセフの顔にはかすかな怖れがあるようにも見えます。

ラ・トゥールの光の表現には、夜の場面に相応しい静謐さや、宗教的な主題の深い精神性を高める効果があります。

ラ・トゥールの絵を見ていると、ふっと画面の中に引き込まれ、ラ・トゥールの世界にいざなわれます。
Hiver138フランス王室画家だったフィリップ・ド・シャンパーニュ(Philippe de Champaigne)「シモンの家での食事(Le Repas chez Simon le Pharisien)」。 

罪深い女であるマグダラのマリアがキリストの足元に駆け寄って、敬意を表わすために主の足を洗っています。何故キリストが罪深い女の敬意を受け入れるのか理解し得ない会食者たちの憤慨・とまどいを前にして、キリストはマグダラのマリアに慈悲を与え、人々に各々の犯した罪を許すよう求めます。
シモンのブルーがかった紫色の衣服とキリストの濃いブルーの衣服のハーモニー、
Hiver139_2キリストの濃いブルーの衣服とマグラダのマリアの金色の髪、金色の服のコントラストが洗練された雰囲気を醸し出しています。
Hiver143クールベ(Gustave Courbet)「麦をふるう女たち(Les Cribleuses de ble)」
Hiver144グイード・レニ(Guide Reni)「洗礼者聖ヨハネ(Saint Jean-Baptiste)」
Hiver145ピカソ最晩年の「杖つく男(Homme assis a la canne)」
Hiver146カンディンスキーの部屋もあって、素晴らしいコレクションでした。「不安定(Fragile, 1931)」
Hiver147「緑の空間(Vide Vert, 1930)」。
Hiver148「優しい出来事(Evenement doux, 1928)」。
Hiver151ナント美術館のカフェでランチをしてから、アンジェ城に向かいます。

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2009-02-05

ロワールワインを巡る旅⑤ペイ・ナンテ(Pays Nantais)地区、ナント(Nantes)で夕食

Hiver119ロワール河が大西洋に注ぎ込む河口近くに開けた町、ナント(Nantes)に到着。

グラスガン劇場。16世紀にフランスに併合されるまでは、ブルターニュ公国の中心地でした。ナントはフランスで行われる「一番住みやすい都市」の調査でここ数年ベスト1に選ばれているそうです。
Hiver118建物はナントの文化遺産に指定されているナントの名所の一つ19世紀末創業のブラッスリー、ラ・シガール(La Cigale)。大西洋で捕れた魚介類の盛り合わせが名物です。
Hiver117昨晩カキをいただいたので、今日はフランスの郷土料理をいただきたい気分でお店を探していたら、地元の人たちで混んでいたビストロLe Bouche a Oreilleを見つけました。
Hiver114
Hiver115リヨンの名物クネル(ふんわりとしたさかなのすり身)料理。
Hiver116カスレ(白いんげん豆、ベーコン、鴨、ソーセージ、
タマネギなどを煮込んだ南西地方の郷土料理)。
写真はないですが、アペルティフ代わりに地元のワイン、ミュスカデラングドックの赤ワインをいただきました。

ほとんどが常連のお客さんでした。お料理もリーズナブルで美味しく、素早く感じの良いサービスにも好感が持てました。メニューもそこそこ充実していましたし、やはり地元の人で賑わっているお店にははずれはないですね。

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2009-02-04

ロワールワインを巡る旅④アンドルに煌くダイヤモンド!アゼ・ル・リドー城とユッセ城

Hiver103 アゼ・ル・リドー(Azay-le-Rideau)村に到着。
Hiver104フランソワ1世が即位の直後、アゼ地方の領主となったジル・ベルトロが当時の時代に合った城の建設に着手。ジル・ベルトロは当時の国王の財務卿であったサンブランセと親戚関係にあり、その後華々しく昇進していき、財務総監を経て、フランス財務官に任命されます。新築の城は彼の輝かしいキャリアを象徴したものでした。

しかし、サンブランセが横領の罪で投獄され、処刑されると、同じ容疑がベルトロにもかけられ、彼は未完成の城を妻を残したまま逃亡します。

フランソワ1世は、イタリア遠征の当時の戦友アントワンヌ・ラファンにアゼの領地を与え、城も18世紀末までその子孫が所有していました。
1791年、フランス革命の最中、シャルル・ド=ビヤンクール伯爵が領地を買い取り、その後も数世代に渡って、中世の城塞の名残りがのこる部分は取り壊し、ロマンティックな庭園を造るなどの改築が重ねられ、川面に浮かぶ調和のとれたルネッサンス様式の美しいお城になりました。

20世紀を目前にし没落した伯爵は、領地、調度品を手放し、最終的には城も売却しました。城は1905年より国の所有となっています。
Hiver105こじんまりしていていますが、ルネッサンス様式の華麗なお城です。
Hiver106アゼ・ル・リドー城の魅力が再発見されたのは、ロマン主義の世代です。バルザックはこの城を「アンドル(ロワール河支流)にきらめくダイヤモンド(Un diamant taillé à facettes, serti par l'Indre)」と呼んだそうです。
Hiver107お城から外を眺めます。
Hiver108
Hiver110
Hiver109火とかげはフランソワ一世の紋章です。
以前ご紹介したシャルトル大聖堂のように、夏の夜にはお城をライトアップするショーを開催しているようです。
Hiver112_2アゼ・ル・リドー城から比較的近かったので、以前訪れてお気に入りだった、 “眠れる森の美女”のお城のモデルと言われるユッセ城(Chateau d'Usse)へ。
Hiver113アンドル川越しに見ると、全体像が見えます。
今でもお姫様が住んでいそうな雰囲気を漂わせています。
Nantes今日の宿泊先の町、ナント(Nantes)に向かいます(地図:フランス政府観光局)。

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2009-02-03

ロワールワインを巡る旅③トゥーレーヌ(Touraine)地区、ヴーヴレイ(Vouvray)のドメーヌ・ユエ(Domaine Huet)へ

Hiver62_2旅気分を盛り上げてくれるフランスの高速の看板。
Hiver63ロワールは数々のシェーブルチーズを産する地方(AOCチーズ38種類のうちシェーブルチーズは8種類ですが、そのうち6種がロワール地方のもの)です。

その理由は、8世紀頃、南スペインから進入してきたサラセン軍をポワチエで撃退した際、スペイン軍が残していったものが山羊とシェーブルチーズの製造方法だったという話です。

ヴァランセ(Valencay)というシェーブルチーズがありますが、このヴァランセ村ヴァランセ城が名前の由来となっています。かつてはこのチーズはピラミッド型をしていたそうですが、エジプト遠征に失敗したナポレオンが、村にあるヴァランセ城に立ち寄った際にその形を見て「エジプトのピラミッドのようだ」と憤慨し、チーズの上部を切り落としたことで今の形になったという逸話があるそうです。

ちなみにクロタン・ド・シャヴィニョルヴァランセの他4種類のロワール地方のAOCチーズは、サント・モール・トウレーヌセル・シュル・シェールシャビシュー・デュ・ポワトープリーニ・サン・ピエールです。
Hiver64ロワール河の支流のシェール川沿いにある小さな町モンリシャール(montrichard)。近くにはシュノンソー城があり、ロワールの古城めぐりとしてヨーロッパでは観光名所ですが、日本人の観光客はまだ少ないそうです。
Hiver65フランスの最も美しい村モントレゾール(Montresor)。近くにある同じくフランスの最も美しい村アングル・シュル・ラングラン(Angles sur l'Anglin)と合わせて次回は是非訪れたいです。
Hiver66 モンプーポン(Montpoupon)城
Hiver67アンボワーズ城(Château d'Amboise)。トゥールから東のお城はロワール古城巡りツアーに入っていたり、比較的訪れやすいので日本から行かれた方も多いと思います。私もこちらに来てから再訪しているので、いつかロワールの古城巡りの記事をまとめて書きたいと思います。
Hiver68シュノンソー城(Château de Chenonceau)
Hiver69ロワール地方、トゥーレーヌ(Touraine)地区ヴーヴレイ(Vouvray)村に到着。
Hiver99ドメーヌ・ユエ(Domaine Huet)に到着。
ここでの試飲は、あらかじめメールや電話で予約が必要です。私はメールで予約しましたが、フランスでは珍しく早く丁寧な返事が来ました。英語の対応も大丈夫だと思います。

ちなみにドメーヌ・ユエLes meilleurs vins de France(旧クラスマン)では、ヴーヴレイの三ツ星生産者です。

またルロワコント・ラフォンなど超一流生産者たちで構成されるビオディナミのグループ、ビオディヴァン(Biodyvin)に加盟しています。

この地方のワインは私がこれまで飲んだことのなかったシュナン・ブラン(Chenin Blanc)種から造られていることもあり、今回のドメーヌ訪問は大変楽しみにしていました。シュナン・ブランは主にロワール地方で用いられ、ボルドーに全く引けをとらない甘口ワインを作る品種でもあります。ロワールの白ワインと言えばソーヴィニヨン・ブランの印象が強かったので、どんなワインなのか期待が高まります。
Hiver87畑ごとの土壌が展示されています。
Hiver91テーブルに座って試飲します。
ヴーヴレイのワインの特徴は、シュナン・ブラン(Chenin Blanc)で、セック(辛口)、ドゥミ・セック(中甘口)、モワルー(甘口)、ペティヤン(微発泡)、ムスー(発泡)を造っていることです。
シュナン・ブランは、強い酸を持つぶどうだそうですが、畑の位置、傾斜角度、土壌、水はけなどによりぶどうの成熟度合いに大きな差が出る品種だそうです。またフランスでは比較的北部の地方のため品質も年によって異なるため、その年のぶどうの出来によって甘口・辛口など造るワインの味を決めていくのだそう。

まずドメーヌの方がおっしゃったのは、市場ではヴーヴレイのワインといえば微発泡、発泡のものが人気ですが、私達自身は普通のワインの方をお薦めしたいとのことでした。
また、ワインの銘柄(クロ・デュ・ブール、ル・モン、オー・リュー)は畑によってワインの味わいに大きな差が出るため、銘柄を分けているそうです。

Hiver70試飲は、まずは珍しい微発泡の2001年のペティヤン(Pettillant)“キュヴェ・ユエ・ブリュット”からスタート。
Hiver722001年ヴーヴレイ・ペティヤン“キュヴェ・ユエ”セック

微発泡といっても、通常の発泡酒と変わらない泡の量でした。シャンパーニュ方式で造っているらしく、シャンパーニュで感じるようなトースト香がありました。

Hiver88_2ドメーヌのル・オー・リューという名前の畑の樹齢10年未満のジュンヌ・ヴィーニュ(若樹)のブドウをメインに造られているそうです。

ビオディナミによるブドウの純粋なエッセンスがぎっしり詰まったものだと感じました。
Hiver752007年のクロ・デュ・ブール セック (Clos du Bourg)
辛口ながら、最後に感じられるほのかな甘さと苦みの余韻が非常に好もしいです。
Hiver76ル・モン・セック(Le Mont, Sec)[2006]は非常にミネラル感を強く感じられるワインです。貝殻のような香りや味わいがありました。
Hiver782007年のル・オー・リュー・ドゥミ・セック(Le Haut Lieu, Demi Sec)
こちらはパッションフルーツ系の甘みが強く感じられる一本。メキシカンなどのエスニック系のお料理と合わせると楽しめそうです。
Hiver80ル・モン・ドゥミ・セック(Le Mont, Demi Sec)[2003]
Hiver822001年のクロ・デュ・ブール ドゥミ・セック(Clos Du Bourg, Demi Sec)
先に試飲したル・モン2003年は、より甘く飲みやすいものでしたが、このクロ・デュ・ブール2001年は甘さが落ち着いており、複雑な味わいを兼ね備えていました。
Hiver83特別に試飲させていただいた1985年のル・モン・モワルー(甘口)
まさに蜂蜜やパッションフルーツのような熟した香りが強く感じられる、熟成したデザートワイン。ハンガリーのトカイワインに近い印象。大変美味しかったです。
Hiver84_2クロ・デュ・ブール・モワルー〔2007〕。
こちらはまだ若いので口当たりは軽かったですが、20~30年もの間熟成させることが可能とのこと。将来味わうのが楽しみなワインです。
Hiver85 ル・オー・リュー・モワルー・プルミエール・トリ〔2003〕。   

こちらもデザートワインですが、これは良年のみの生産の超レアワインです。
Hiver93土曜日は、試飲だけだそうですが、特別にカーブを案内していただきました。
Hiver94
Hiver92


Hiver95_2ステンレスタンク。
ドメーヌの方のお話では、木樽とステンレス樽で別々に発酵させたものを、最後にブレンドすることでワインの味を調整するそうです。
Hiver96ぶどうを圧縮する機械。
Hiver97倉庫。
Hiver98ドメーヌで一番素晴らしいワインだそうです。1947年ヴィンテージ!
Hiver100教えていただいたドメーヌ・ユエの畑を通ってみます。
Hiver101ロワール渓谷のトゥーレーヌ(Touraine)地区のワイン街道の標識。
Hiver102今回の旅の最初のお城に向かいます。










  

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2009-02-02

ロワールワインを巡る旅②中央フランス(Vignobles du Centre)地区、サンセール(Sancerre)

Hiver36 サンセール(Sancerre)村に向かいます。
Hiver37サンセールのぶどう畑が広がっています。
Hiver54
Hiver55
Hiver58サンセール村に到着。
Hiver60サンセールのお城。
Hiver38サンセールは中世の城塞都市だったそうです。
Hiver501月ということで、町は静かです。
Hiver52サンセールの教会。
Hiver59標高300mのサンセールからみた景色。ロワール河も見えます。
Hiver39もちろん沢山のワインショップが立ち並んでいます。
Hiver43時期的にほとんどのお店が閉まっています。
Hiver51
Hiver48
Hiver46
Hiver42 16世紀頃からワイン造りをしているサンセール有数のドメーヌ、アルフォンス・メロ、ドメーヌ・ラ・ムシエール(Domaine La Moussiere Alphonse Mellot)のワインショップ。

エレガントなサンセールが有名ですが、ブルゴーニュと対等になれるようなピノ・ノワールで造った赤ワインも素晴らしいそうです。

フランスの有名なレストランやワインバーのワインリストでよく見かけます。ちなみに2009年の旧ル・クラスマンでは、サンセールで最高の二つ星です。
Hiver47アルフォンス・メロと関係ないそうですが、サンセールの造り手ジョセフ・メロ(Joseph Mellot)が経営しているレストラン。食事をしながら色々試飲させてくれるそうです。
Hiver45ジョセフ・メロのワインショップ。
Hiver49 4世代続いている家族経営のドメーヌ・ヴァシュロン(Domaine Vacheron)

旧クラスマンで一つ星、ゴー・ミヨではサンセールでひとつしかつかないク・ド・クール(ハートマーク)がついています。

特にヴォリュームがあり、スパイシーで芳醇なSancerre Les Romain(白)、Sancerre Belle Dame(赤)が有名です。
Hiver53
Hiver56ちなみにサンセールの隣の村は、AOCのヤギのチーズ、クロタン・ド・シャヴィニョル(Crottin de Chavignol)で有名なシャヴィニョル(Chavignol)村です。老舗のデュボア(Dubois)が有名です。

ロワールのワインの試飲で一番楽しみにしていたトゥーレーヌ(Touraine)地区ヴーヴレイのドメーヌに向かいます。

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2009-02-01

ロワールワインを巡る旅①中央フランス(Vignobles du Centre)地区プイイ・シュル・ロワール(Pouilly sur Loire)

Chambord01今回の冬休みは少しロワール地方のワイン巡りをします。

ご存知の方も多いと思いますが、世界的に有名なロワール河流域とその豪華な城々があるロワール地方は、パリ、コートダジュールに次いで、フランスで3番目に観光客が多く訪れる地方です。またロワール地方「フランスの庭」と呼ばれ、最もフランス的な地方と言われています。

Chambord14王達がロワール地方に宮廷を造ることを選んだ理由は、フランスの中心部にあって、他国の国境から遠く安全性が高かったこと、豊かな稔りをもたらす広大な大地が開けていたこと、そしてロワール河が海まで延びていて、運搬や交通路として活用できる地の利があったからだそうです。
Loire69王室を取り巻く諸公たちもこの周辺にお城を建てていったので、フランスで一番お城が多い地方になったそうです。現在お城は600ほどあり、一般公開されているものは80ほどだそうです。

Loire29ロワール河と一口で言っても全長1020キロメートルもあります。

今回の旅も一日平均360キロほど走っていますが、フランスでのドライブは、観光大国フランスならではの旅行者へのサービス精神と景色そのものの美しさが他のヨーロッパの国と比較しても際立っていて、他国でのドライブと比べて疲れを比較的感じません。

ロワール地方は、こちらに来てトゥール(Tours)の東側の古城巡りを再訪しているのですが、今回訪れるお城はトゥールから西のお城です。

少しロワールワインの説明をします。
ロワール地方では、ローマ人が最初にぶどうを植えたのですが、現在のぶどう畑につながるぶどう畑を作ったのは、15、16世紀のヴァロワ朝の王達です。穏やかな気候と、西は大西洋に面した河口から、東は内陸部まで広域にわたっているため土壌が異なり、ロワールワインの味わいは多彩で魅力的だと言われています。ロワールワインの栽培地区は大きく分けて以下の4つに分かれています。
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①中央フランス(Vignobles du Centre)地

ロワールの上流、フランスの中央部、ブールジュを囲むようにぶどう畑が広がっています。隣はブルゴーニュという一帯です。
土壌のほとんどは石灰質ですが、粘土石灰質、火打石混じりの石灰質も混ざっています。代表的な産地はサンセールで、圧倒的に白ワインの生産が多いですが、赤とロゼも少しだけ造られています。

②トゥーレーヌ(Touraine)地区
トゥールを中心としたロワール流域。
大西洋と大陸性の両方の影響を受けた気候に恵まれて、野菜、果物、花の産地でもあります。

シュナン・ブランの個性があるヴーヴレイシノンブルグイユなどが主な産地です。
土壌は珪土質、粘土石灰質など多岐に渡り、ぶどう畑は日当たりの良い斜面にあるケースが多く、栽培条件に恵まれています。赤、白、ロゼ、クレマン(発泡性ワイン)を生産しています。

③アンジュ、ソーミュール(Anjou - Saumur)地区

ロワール地方中央部。アンジェ市ソーミュール市からなる地域。赤、白、ロゼ、クレマン(発泡性ワイン)を生産。
ソーミュールロゼ・ダンジュコトー・デュ・レイヨンの貴腐ワイン(シュナン・ブランから造られる甘口ワインは砂糖が貴重な時代だった当時の王侯貴族のお気に入りだったそうです)が有名です。

④ペイ・ナンテ(Pays Nantais)地区

ロワールの河口から50キロにあるナント市を中心とする地域。
川の北岸と市の東南地域にぶどう畑が広がっています。
土壌は片岩質、花崗岩質などだが複雑に混ざっています。
日照が良く、秋冬は穏やかで夏は暑く雨が多い大西洋の影響を受ける斜面でミュスカデを栽培しています。

Hiver29プイイ・シュル・ロワール(Pouilly sur Loire)で泊ったホテルで夕食。

プイイ・シュル・ロワールは、Pouilly Fumé(プイイ・フュメ )と同じ指定区域で、シャスラ(Chasselas)シャスラソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon Blanc)のブレンドで造られるワインの生産地です。プイイ・シュル・ロワールの生産量はプイイ・フュメの4%にも満たないそうです。

写真手前はチーズ味のガトー・サレ。アペリティフは、定番のアリゴテではなく、土地柄プイイ・フュメを使ったキール。

Hiver30ロワール地方の中央フランス地区の代表的な2本、プイィ・フュメサンセールを注文しました。

樹齢40年以上の古木の秀作の年にしか造られないドゥ・ラドゥセット プイィ・フュメ バロン・ドゥ・エル(de Ladoucette Pouilly Fume Balon de L)で有名な、ロワール地方最大の造り手と言われるラドゥセット男爵ドゥ・ラドゥセット プイィ・フュメ”ドゥ・ラドゥセット”(de Lacoucette Pouilly Fume de Ladoucette)(2006)。ミネラルが豊かで、フルーティーなのに厚みのある、エレガントな味わいでした。

ちなみにLes meilleurs vins de France 2009(旧ル・クラスマン)では、アンリ・ジャイエにワイン作りを学んだこともある昨年飛行機事故でなくなったロワールの鬼才ダグノーさんのがプイィ・フュメで三ツ星をとっています。

プイィ・フュメ・シレックス(火打ち石)が代表的なワインです。
Hiver31プイィ・フュメの対岸に位置するプイィ・フュメと同じくソーヴィニョン・ブランから造られるサンセールコント・ラフォン・サンセール・ラドゥセット家・シャトー・デュ・ノゼ(Sancerre Comte Lafond de Ladoucette Au Chateau du Nozet)(2006)
(このコント・ラフォンは、ムルソーのコント・ラフォンComtes Lafonとは関係ありません。スペルも違います)。

ソーヴィニョン・ブランを使ったロワールワインを飲むのは久しぶりでした。美味しいのですが、同じ金額を出すのであれば、個人的にはシャルドネの方が好みだと再認識しました。

Hiver32ブルターニュのキブロン産のNO.2のオイスター。
Hiver33シャロレー牛のステーキ。
Hiver34舌平目のムニエルは、プイィ・フュメに合いました。
Hiver35ムニエルの付け合せ。中華風?と期待(!)してしまいましたが、しっかりフレンチでした。お腹がいっぱいになったので、フロマージュ、デザートは遠慮しました。



☆今日の動画☆


ロワール渓谷は世界遺産に登録されています。
今回は1月ということで、美しいぶどう畑の写真はないので、こちらでお楽しみください。
ぶどう畑は4番目に出てきます。もちろんロワールのお城の映像も綺麗です。

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