ヨーロッパの教会(フランス以外)

2009-09-08

荘厳で豪奢なるヴィスコンティ家のパヴィアの美しい僧院(Certosa di PAVIA)へ

Ete292ストレーザからパヴィアの僧院(Certosa de PAVIA)へ。
Certosa(チェルトーザ)とは「カルトジオ修道会の修道院」だそうです。

参道のような美しい並木道の先にあります。
Ete293見えてきました。
Ete294フレスコ画が鮮やかな門。
Ete295天井も1500年代のフレスコ画で飾られています。
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Ete302パヴィアの僧院は、13世紀末から15世紀に掛けてミラノの当主であったヴィスコンティ家(15世紀にスフォルツァ家に支配権を奪われ、没落)の霊廟として、ミラノのドウモを建設した実力の有る建築家達によって建築されました。その後、ミラノの当主(15世紀~16世紀)となったスフォルツァ家の霊廟としても利用されることになります。修道院は1452年頃、付属の教会は1473年に完成し、
Ete297その後、色大理石の美しい巨大なファサード(正面)が手がけられ18世紀に完成しました。ルネッサンス期のロンバルディア様式芸術の最高傑作と言われています。
Ete301レオナルド・ダ・ヴィンチのパトロンだった、スフォルツァ家三代目の当主、ルドヴィコ・イル・モーロと、彼の妻ベアトリーチェ・デステのお墓も仲良く並べられて納められています。
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Ete303ファサードの美しさに魅了されます。第一印象は白と緑とピンクの華やかさです。
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Ete304ファサード全面が大理石でできており、大小さまざまの繊細な彫刻が豪華です。
Ete306ファサードの最下部には古代ローマの貨幣を模した肖像のメダルが横一列にずらりと並んでいます。
Ete307内部の建築はゴシックからルネサンスへの過渡期の様式を示しています。
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Ete308 パヴィアの僧院は、大小2つの回廊も有名です。現在この僧院はカルトジオ会の修道士によって管理されていて、この修道士達の案内
についていくと、回廊も見学することができます。

たまたまその日の修道士さんがやる気がなさそうな雰囲気で、かつイタリア語での説明がすごく長かったこともあり、結局回廊は見学せず、堂内だけ見学して帰りました。
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Ete311壁はバロック・フレスコ画で覆われ、聖人ブルーノやキリストの生涯が描かれています。
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Ete314十字型の聖堂は、これでもかというほど細部まで装飾を重ねられています。
Ete318当時の有名画家たちによるフレスコ画の数々。
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Ete317ここから先は修道士さんと一緒でないと見学できません。
修道士さんのガイドについていくと、説明が終わった時点で、自分が適切だと思う喜捨を渡すそうです。

この奥に見学したかったルドヴィコ・イル・モーロと、彼の妻、ベアトリーチェ・デステ(婚礼衣装に身を包んで横たわった姿を彫刻したもの)の墓碑が仲良く並べられて納められているそうです。
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Ete328パヴィア市にはヴィスコンティ城もあり(現在は美術館と博物館になっています)、お城の庭は市民の憩いの場となっているそうです。
Ete330もっとゆっくりと見学したかったのですが、残念ながら時間が押しているので、
Ete331今日の宿泊先のトスカーナに向かいます。

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2009-08-24

もう一つのロココ様式の秘宝、ロッテンブーフ教会へ

Ete260ロマンティック街道を走ります。
Ete261ヴィース教会から数キロ走ると、教会の塔が見えてきました。
Ete262ロッテンブーフのマリア生誕修道院付属教会に到着。
Ete2631777年に作られた教会の入口。既にバロック・ロココの華美な装飾が飽きられつつある時代だったので、入口は次の時代の流行となる新古典様式の簡素なものです。
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Ete292簡素な入口の佇まいとは対照的な、眩暈を起こすようなバロック・ロココの存在感に圧倒されます。
Ete265教会は12世紀に建てられましたが、火災や三十年戦争などで破壊されました。バロック・ロココ様式の教会に改装されたのは、18世紀中期だそうです。
Ete294側廊。細部を見ていくと、絵画や装飾はとても繊細で優美です。
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Ete269聖アウグスティヌスの、キリストの苦しみへの祈りとマリアへの信心深い瞑想。
Ete271聖アウグスティヌスの殉教。
Ete272説教壇。
Ete274主祭壇脇の装飾。楽器を持った天使たちがいます。
Ete281このような天使像は、当時の教会装飾の流行だったそうです。
Ete276主祭壇。
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Ete273天国で聖母となったマリア。
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Ete277天国の聖アウグスティヌス。
Ete279中央祭壇の両脇に聖ペテロと聖パウロの像が立っています。向かって右側は、聖ペテロの像。
Ete280左は聖パウロ。右手に聖書を持っています。
Ete282祭壇前のキリストを抱くマリア像。梨を差し出しています。
Ete283聖アウグスティヌスが母聖モニカと話しています。
Ete284中央祭壇左側の聖スティファン祭壇。
Ete288壁にも数多くのフレスコ画が描かれています。
Ete291パイプオルガン。周りに楽器を持った天使達が舞っています。
Ete295次の目的地に向かいます。






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2009-08-23

ヨーロッパで最も華麗かつ豪華なロココ様式の教会、世界遺産ヴィース教会へ

Ete196ロマンティック街道を外れて、
Ete197ドイツらしい田舎道を走ります。楽しそうでいいですね。
Ete198ヴィース教会の看板が出てきました。
Ete199見えてきました。
Ete200鞭打たれる救い主(キリスト)への巡礼教会としてヴィース(ドイツ語で牧草地、草原の意)に建てられたヴィース教会

この教会は、1730年、マグヌス・シュトラウプ神父とルカス・シュバイガー修道士が、ある修道院のために鞭打たれるキリストの木像を寄木細工で作りました。

ところが真に迫る悲惨さが信者達の不興を買って、像は修道院の屋根裏部屋に長い間放置されることになりました。

それをある一人の農婦が譲り受け、日々熱心に祈りを捧げていたら、1738年のある日、突然キリストが涙を流したそうです。奇跡の噂は広まり、そのキリスト像を一目見ようと集まる人々のための小さな礼拝堂が始まりだそうです。この像を祈って、病気が治ったという奇跡が加わり、ヨーロッパ各地から巡礼者が続々と押し寄せてきたため、現在のような大きな教会を建てることになったそうです。
Ete201駐車場に車を停めて、
Ete257教会に向かいます。年間100万人の観光客が訪れるそうです。
Ete256外観は牧草地に建つ何の変哲もない教会ですが、
Ete204ロココ様式の内部の装飾はヨーロッパ随一と言われており、豊かな色彩の華麗な装飾に圧倒されます。
Ete255設計はドイツ・ロココの完成者として名高いドミニクス・ツィンマーマン、天井画はミュンヘンの宮廷画家だったヨハン・バプティスト・ツィンマーマンの作品です。ツィンマーマン兄弟は、多くの教会建築を手がけた経験をヴィース教会にすべて注いだそうです。

特に弟のドミニクス・ツィンマーマンは、この教会には特別な愛情と情熱を傾け、教会落成の時に、喜びのあまり「ここに幸福が宿り、ここに魂は安らぐ」と言い、ヴィースを離れることを一生望まず、教会のすぐ脇に自宅を建て、亡くなるまでこの教会を見守り続けたそうです。
Ete224主祭壇を囲む柱は、
Ete229赤い柱が自ら犠牲になったキリストの血を、青は天の恵みを意味しているそうです。一見大理石に見える柱は、漆喰に彩色をほどこした人工の建築資材が用いられています。
Ete218訪れる前はロココ様式の教会で落ち着いた気持ちになれるのだろうか、と疑問でしたが、過度な派手さが抑えられ、落ち着いた優雅さが好もしく感じられる教会でした。
Ete217ドミニクス・ツィンマーマン設計の説教壇。
Ete219説教壇下部のヴィース教会で最も美しいと言われる天使。
Ete221イルカに乗っています。イルカはキリストを表しているそうです。
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Ete205装飾。
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Ete225主祭壇上部のキリストの象徴、神の子羊。7つの封印の付いた書の上に乗っています。
Ete227主祭壇画。キリストがマリアの膝に抱かれ、キリストの顔をヨセフに向けています。

金色のペリカン像は、血を流し尽くしたイエスの献身を象徴しています。エサが無くなって我が子の命を救うため、自分の血を飲ませたという話に由来するそうです。
Ete226主祭壇のフレスコ画。
Ete233 主祭壇下部にある、ヴィース教会が建てられるきっかけとなった、柱につながれた鞭打たれる救い主像。
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Ete238 反対側から見える、左目の下の小さな白い染みが、涙の跡だそうです。
Ete239 「天から降ってきた宝石」とも讃えられている宮廷画家だったヨハン・バプティスト・ツィンマーマンが描いた彼の最高傑作と言われるフレスコ画、“キリストの降臨”

緩やかなドーム状に見える天井ですが、目の錯覚を利用した絵画技法で、実際はほぼ平面の天井に描いてあるそうです。
Ete203虹の上に座っているのが復活したキリスト。右手は十字架を、左手は自らの心臓を指さしています。雲の上には、天国の鍵を持つ聖ペテロ、槍を持つ大天使ミカエルも描かれています。
Ete211下部に描かれている最後の審判の王座。
Ete212上部に描かれているのは、天国の扉。門の上の輪は、永久への門にある永久を表す蛇。
Ete223天国の門の下には、豪華なパイプオルガンがあります。見た目も美しいですが、音の美しさでも有名です。
Ete244パイプオルガンの中央にもペリカンがあります。
Ete243マグラダのマリアがシモンの家でイエスの足に香油を塗る場面。
Ete208ヨーロッパ4大教父の一人、ヒエロニムスの像。
Ete220グレゴリウス1世像。アンブロジウス像、アウグスティヌス像もありました。
Ete228小祭壇。
Ete242_3ペトロがイエスを否認する場面。
Ete214大修道院長席。
Ete215ヴィース教会は巡礼教会という役割だけでなく、修道院長らの夏の居住地でもあったそうです。
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Ete222

Ete258ヴィース教会の感動覚めやらぬまま、近くにあるもう一つのロココの教会に向かいます。






☆今日のワイン☆

以前訪れたモレ・サン・ドニ村で買ったワイン、リニエ・ミシュロのモレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・レ・シュヌヴリ〔2000〕を頂きました。

フランボワーズや、特に湿った土の香りが印象的でした。開くまで時間がかかりましたが、熟成によりタンニンが柔らかく穏やかなワインでした。落ち着いた味わいが非常に良かったです。

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2008-12-23

カール大帝の大聖堂・世界遺産アーヘン大聖堂

Noel121_2ファルケンブルグから車で20分のアーヘンに到着。
Noel169今回の目的は前回訪れなかったアーヘン大聖堂(世界遺産)と、ライブクーヘン(細かく刻んだジャガイモを揚げたもの)前回訪れた際に食べたときの美味しさが忘れられなくて)をいただくことです。
Noel124_2アーヘンのクリスマスマーケット。後ろに見えるのはゴシック様式の市庁舎です。
Noel130早速マーケットの中に突入します。
Noel123Currywurst(カリーヴルスト、カレーソーセージのことです)売り場。
Noel125ライブクーヘン売り場を発見!
Noel126少し待つと、揚げたてのライブクーヘンが運ばれてきました(右)。

Noel127熱々のライブクーヘンに、りんごのソースをつけていただきます。美味しい!
Noel128_2ホットドック。ブリュッセルのクリスマスマーケットのホットドックとは、ソーセージの大きさも美味しさもレベルが違いますね。さすが本場!
Noel129 フリット。ドミグラスソース風味のケチャップが良く合います。
Noel122ゴシック様式の市庁舎
Noel132アミアン大聖堂のタンパンのキリストに似ています。
Noel131市庁舎のテラスから。
Noel133お腹も落ち着いたので、アーヘン大聖堂に向かいます。
Noel134以前のブログで書いたアーヘナープリンテン(Aachener Printen)の老舗の「Nobis」。
Noel165八角形のドーム礼拝堂が特徴的な世界遺産のアーヘン大聖堂

この大聖堂は、カール大帝が建てた八角形の宮廷礼拝堂に、ゴシック様式の聖堂を併設したものです。大聖堂は768年から基礎工事が始まり、798年に丸屋根を持つ八角形の大聖堂が建てられ、805年に落成したそうです。

礼拝堂のまわりのゴシック様式の聖堂は中世(1414年)に建てられたもので、全体としてロマネスク様式とゴシック様式双方の特長を併せ持つ美しい教会となっています。
Noel135大聖堂は、「皇帝の大聖堂」(Kaiserdom)と言われ、北部ヨーロッパでは最古のものだそうです。

8世紀末にフランク王国のカール大帝(西欧に安定をもたらしたこと、古代ローマ、キリスト教、ゲルマン文化の融合を実現したことなどの功績から、ドイツ・フランス両国から偉大な王として評価されています。フランス語だとシャルルマーニュですね)は、国土の中心に位置するアーヘンに宮殿を置き、宮殿の礼拝堂としてアーヘン大聖堂を建設しました。

Noel13610世紀中頃に大帝の玉座が作られ、以降約6百年間、30人もの歴代の神聖ローマ皇帝の戴冠式が行われました。ちなみにカール大帝は、この大聖堂に埋葬されています。
Noel139カロリング朝ルネサンス(カール大帝が計画した教会・典礼・宗教芸術を通しての古代の学芸復興および古代ローマの再興)様式の白眉と言われる宮廷礼拝堂
Noel140 この柱は、786年にイタリアのローマとラヴェンナから来たと言われています。他の教会と違うのは、これらの柱が主に装飾のために用いられているということです。

1794年にナポレオンの軍隊がアーヘンに来て、柱をパリのルーブル美術館へ持ち去りました。しかし19世紀の中頃にプロイセン政府がアーヘンを奪還したため、プロイセン政府は、柱の返還をフランスに要求し、フランスは全16本のうちの10本を返還します。

パリから持ち帰る際に2本が壊れたため、現在大聖堂で見られる当時の柱は8本で、その他の柱は19世紀に取り付けられたものだそうです。
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Noel143ロマネスク様式、モザイク装飾の八角形の天井ドーム。中心部は32メートルもの高さがあります。
Noel149ガラスの礼拝堂と呼ばれる美しい礼拝堂。15世紀にステンドグラスとゴシック様式の内陣が完成しました。パリのサント・シャペルを参考としたそうです。
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Noel147天井から下がるマリア像。
Noel155違う角度から。
ステンドグラスは高さ25m、世界で一番高い中世のステンドグラスだそうです。総面積は1,000万㎡もあるそうです。

前方のステンドグラスは、第二次世界大戦時の爆撃により破壊されてしまったため1951年に修復されたものだそうですが、後方のステンドグラスは昔のままの姿で残っています。荘厳さのなかに華やかさのあるステンドグラス、美しさにしばし言葉を失いました。
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Noel148祭壇には金板にキリストの受難が描かれています。内陣にある装飾物は、すべて11世紀から伝わる金箔が使用されているそうです。
Noel153全ての壁や回廊にも柄が描かれています。
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Noel157小礼拝堂へ。
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Noel158小礼拝堂のステンドグラスも素晴らしいです。
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Noel137_2フランク王国の繁栄ぶりを身をもって感じました。
Noel167 アーヘンの町並み。
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Noel168マリオネットの銅像。触って色々と形を変えることができるので、子供たちに人気です。
Noel170プリンテンの風船で出来た飾り。
Noel176前回も来たグリューワイン(ホットワイン)のスタンドへ。
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Noel174皆楽しそうに飲んでいます。真っ赤なお顔のおじさんは、
Noel175 トナカイになって、はい、チーズ!
Noel173グリューワインは、ワインそのものもさることながら、毎年変わるカップのデザインも楽しみのひとつです。今年のデザインはこんな感じでした。
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Noel177 お腹いっぱいだったのですが、別のライブクーヘンのスタンドを発見。思わずまた購入してしまいました。最初に食べたスタンドの方が、脂っぽさが少なく美味しかったです。
Noel178 モンシャウのクリスマスマーケットにもあったマッシュルーム炒めのスタンドもありました。もうこれ以上いただけないので、次回訪問時のお楽しみにとっておくことに。



いつも読んで下さっている読者の皆様、ありがとうございます。
良いクリスマス、良いお年をお迎えくださいね。

Joyeux Noël et Bonne Année !

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